マンツーマンが基本のサ高住の介護

サ高住とは、サービス付き高齢者向け住宅の略称として呼ばれています。同じ介護を提供するサ高住と、特別養護老人ホームや介護老人保健施設とは少し介護の提供方法が異なります。特別養護老人ホームや介護老人保健施設は、介護保険サービスで「施設サービス」として位置付けられているのです。サ高住は「在宅サービス」として位置付けられているため、介護の提供は訪問介護サービスにて提供することとなります。

食事の場面で具体的な違いを説明すると、特別養護老人ホームや介護老人保健施設では、食事の介助が必要なご利用者がいた場合、1人のスタッフで2名の利用者の食事介助を提供することが可能です。一方、サ高住では1度に複数のご入居者を食事介助することはできません。これは先ほど述べたように、サ高住で提供する介護保険サービスは「在宅サービス」として位置付けられており、訪問介護サービスで提供することになるからです。訪問介護とは、ヘルパーが介護の支援が必要な高齢者の自宅に訪問して介護を提供するサービスです。ひとつの家に介護の必要な高齢者が何名もいる、ということが現実には皆無といっても過言ではありません。そもそも訪問介護は、介護が必要な方のために訪問しているため、複数の高齢者を介護するように考えられていないのです。

よって、訪問介護にて介護サービスを提供するサ高住は、食事の介助が必要な方がいらっしゃった場合、スタッフがマンツーマンで対応してくれます。これが食事場面における、施設サービスとの違いです。ちなみに、訪問介護サービスを使って食事介助が必要な夫婦を援助する場合、時間をずらして対応するか、2人ヘルパーを派遣して食事を対応することになります。